トゥームレイダー ファースト・ミッション 感想
トゥームレイダーファースト・ミッションを見たので以下感想。
トゥームレイダーはビデオゲームが原作である。主人公であるララ・クロフトの設定は度々変更されており、今回の映画では2013年でリブートされたゲームの設定が主になっている(らしい)。
過去にアンジェリーナ・ジョリー主演で2作の映画が製作されたが、今回の映画は設定の変更もあるのでおそらくは関係が完全になくなっていると思っていいだろう。
ゲームが原作であるため、原作のファンとしての視点と単に映画としてみるアクション映画ファンの視点としては異なるものになるに違いはないが、映画単体としてみるのであれば特筆するところがないまずまずのアクション映画ということになると思う。
最初に邪馬台国のヒミコが邪悪な呪術で日本を支配していた話から始まる。
開始からして「馬鹿映画」の臭いがしてこのあたりでは個人的にはとても興味深い引き込み設定ではあったのだが、残念ながらこの映画はナンセンスなテイストが薄く全体的に「生真面目」すぎるものになっていた。
この映画のメインには父と娘の関係があるが、回想で用いられるのはもの悲しい別れのシーンだけであるし、特別な絆があったかと思えるようなシーンが最初に示されない。
主人公のララは父親が隠していた秘密を見つけて冒険へと旅立つのだが、それまでの過程に彼女を駆り立てるほどの何かがあったのかイマイチピントがぼやけている。
映画としてはユニークだと感じた場面としては、ララが初めて人を殺すシーンだ。アクション映画のヒーローや悪党たちはあまりにも人を殺すことに慣れている場合が多く、自分が人を殺すことに既に感慨を抱かない場合が多いか、またはそんな暇はないとでも言わんばかりに初めての殺しを経験するかだが、ララ・クロフトは長いとは言えない時間だが人を殺す苦痛を感じさせてくれた。
アクションシーンに関して言えば、主演のアリシア・ヴィキャンデルはよくやっていたと思う。
映画のために鍛え抜かれ、絞られたアリシアの体には申し分がなく、総合格闘技的なアクションはスピーディで見事だ。
インディジョーンズ的な遺跡のトラップは出てくるのがあまりにも遅い上に数が少なく、ユニークではないが最低限の楽しみは与えてくれると思う。
残念なことに、ストーリーとしては設定のばかばかしさとは裏腹に生真面目で固く、アクションの派手さもストーリーを救うほどの激しさや奇抜さが足りなかったのでためらいなく推せる映画ではなかったと思う。
アリシアの鍛えられた体と総合格闘技的なアクションはもうちょっと見てみたいのと、作品としてはララ・クロフトのオリジンと言っていい話であるので続編に期待する。